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知人の選んだ樹木葬

11月も終わりに近づいた頃、一件の電話を受けた。常に親しくお付き合いをしていたご夫婦の一人娘さんからだった。

その電話は「実は父が11日に他界しました。(もう2週間も前になる・・・)生前はお世話になりました。本人の意思で樹木葬で密葬いたしました。尚、故人の意思ですべてのご好意はご遠慮させていただいておりますがお知らせだけをさせていただきます。母ともに今後もよろしくお付き合いください。」・・・・仲良くお付き合いしていただけに突然のことに唖然とした事も事実である。

彼は大きな病院の院長として長年勤め社会的な立場からもして、友人、知人が数え切れないほどの人望の厚い方だった。聞く所によると肺がんが見つかり治療を続けてはいたものの、そこは長年の医師としての自覚が働いたのか己の余命を計り、自分が他界した時の事を想定し、家族、親戚、周りの多勢の人たちの事を慮り自分の葬儀の仕方まで家族に伝えてこの世を去ったと言う。常日頃の彼の生き方を知っているものとしては至極当然、全く彼らしい最後の締めくくりだとも強く感じ入った。最後まで自分らしく生きたいという価値観と、自然に帰りたいという故人の意志だったのであろう。

最近は葬儀の方法も色々変化して来たが、彼が生前に選択してあったと言う樹木葬とは、いったいどういうものであるか興味がわいたので調べてみた。

要は、・・・・樹木葬とは、墓石などをおかず、直接土中に遺骨を埋葬し、樹木を墓にする葬送方法とあった。

骨壷を使用する場合は、木箱、紙箱、布など土に返る素材のものであれば利用する事ができるが、・陶磁器、ガラス、プラスチック、化繊などは使用できないものとされているそうだ。

墓標にする樹木の苗木は、落葉樹の低木、花木 果樹等の中で土地に合うものの中から選択する。苗が根付かない、気候などにより枯れた場合 は新しい苗を植え替えることができる。10年以上たって山の木が自然に枯れる事はあまりないが、それ以後は自然に生えた木を育てる事とする。現在、山野が人に使われるのは山が切り開かれていくときばかりだが、切り開くのとは違う形の中で生まれた新たな文化でもある。

尚、樹木葬墓地は宗教・宗派に関係なく墓地のみ・・・つまり土に返る場所としてのみ、使用するのでお寺とのつながりや宗教の違いといったことを気にしないで良いらしい。但し宗教によっては儀式の形式や必要性などが異なる事もあるので、事前に打ち合わせをし、後は自由に決める事が出来る。・・・・と言うものであった。

自分の人生を自分らしく締めくくりたいと考えた時、樹木葬という葬送法は里山再生にちょっぴり役立つ上に、以後遺族がその里山を訪れ楽しく安らげる拠り所となることもできるし、墓石建立のような莫大な費用がかからない。その後も子どもや孫に負担がない。などなど考え方によっては永遠に自然界と共存できると言う叙情的な所もあり且つ合理的でもあると思えた。私たち年令になるとそろそろ自分たちのの終着駅の事も考える年になったのだなと実感した今日この頃である。

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by aakinishi | 2005-11-28 11:40 | Trackback(1) | Comments(0)